五月ごがつは花はな緑青ろくしょうの窓辺まどべから

五月從花綠青的窗邊開始

ヨルよるシカしか

• 夏なつが終おわることもこの胸むねは

• 気きのせいだって思おもっていた

• 空あいた教室きょうしつ 風かぜ揺ゆれるカーテンかーてん

• 君きみと空そらを見上みあげたあの夏なつが

• いつまでだって頭上ずじょうにいた

• さようなら

• 青々あおあおと息いきを呑のんだ 例たとう涙なみだは花はな緑青ろくしょうだ

• 黙だまったらもう消きえんだよ

• 馬鹿ばかみたいだよな

• 思おもい出だせ!

• 思おもい出だせない、と頭あたまが叫さけんだ

• ならばこの痛いたみが魂たましいだ

• それでも それでも聞きこえないというなら

• 愛想笑あいそわらいの他ほかに何なにも出来できない

• 君きみと夏なつを二人ふたり過すごした想おもい出でを

• 笑わらわれたって黙だまっている

• 笑わらうなよ 僕ぼくらの価値かちは自明じめいだ

• 例たとうならばこれは魂たましいだ

• 黙だまっただけ辛つらいのに馬鹿ばかみたいだろ

• なぁ 言いい返かえせ

• 言いい返かえせないまま一人ひとり歩あるいた

• 指ゆびを指さされた僕ぼくが残のこった

• それでも それでも思おもい出だせないのか

• さようなら

• 青々あおあおと息いきを呑のんだ 例たとう涙なみだは花はな緑青ろくしょうだ

• 黙だまってくれ わかったよ

• 君きみの声こえがする

• 「思おもい出だせ!」

• 思おもい出だしたんだ、と喉のどが叫さけんだ

• この痛いたみが君きみの証明しょうめいだ

• それでも それでも聞きこえないというなら