コガこがネイロねいろ

黄金色

長月ながつき夜よる(近藤こんどう隆たかし)

• 夕暮ゆうぐれを待まって ひびく警笛けいてきが

  等待著夕陽西下時響起的警笛

• あの夏なつの熱ねつを 手招てまねきするんだ

  朝向那夏季熱度招著手

• しおりの代かわりに 挟はさんだ写真しゃしんは

  替代書籤而夾在其中的照片

• 引ひき出だしのふちで 行方ゆくえくらませた

  於抽屜的某個角落行蹤不明

• 秋桜こすもすは もう 涼すずしい振ふりして

  秋櫻 已然展現涼意

• 夜よるのとばりに泣なき顔がお 忍しのばせる

  夜之帷幕遮掩住那張泣顏

• こんな薄着うすぎの僕ぼくに

  對穿著單薄的我

• そっと降ふりしきる風かぜが

  靜默而不止吹拂的風

• まだ実みのりかけの空想くうそうを

  又將成熟結果的妄想

• さらって飛とんでく

  毫不留情地吹飛

• 羽根はねをたたんで 腕うでにつかまった

  將羽翼收起 用胳臂抱著

• コガこがネイロねいろの髪かみ 眺ながめて和なごんでた

  金黃色的髮色 看起來平和安穩

• 夏なつの終おわりに散ちる花はな 覚おぼえた

  還記得夏日結束時凋謝的花

• 赤あかくなずんで変かわれない畦道あぜみちで

  讓一成不變的田間小道漸漸轉紅

• 遠とおく逃にげたがったけど

  雖說想就此逃去遠方

• ずっと付つきまとう風かぜが

  但一直跟隨其後的風

• また忘わすれかけた真相しんそうを

  又其將快忘懷的真相

• はためかせて

  隨之飄揚而來

• どんな見慣みなれない人ひとも

  無論如何陌生的人

• きっと君きみをはらんでる

  你也一定會包含其中

• まだ芽生めばえてもいないのに

  但因為還是未萌芽的狀態

• 儚はかないから

  只是幻想

• 秋空あきぞらただよう 乾かわいた匂においに

  秋空漂浮不定 那乾燥的氣味

• どこか懐なつかしさ馳はせて

  從某處來的懷念馳行著

• 思おもい出では今いまも 時計とけいの針はりのよう

  回憶至今仍像那時鐘指針一般

• 昨日きのうに似にた未来みらいを周まわってる

  圍繞近似昨日的未來轉著

• こんな弱気よわきな僕ぼくに

  對如此怯懦的我

• そっと降ふりしきる風かぜが

  靜默而不止吹拂的風

• まだ実みのりかけの空想くうそうを

  又將成熟結果的妄想

• さらって飛とんでく

  毫不留情地吹飛

• 遠とおく逃にげ出だしたまま

  就像這樣逃到遠方去

• じっと待まちわびた風かぜに

  一直期盼著的那道風

• また忘わすれかけた光景こうけいを

  又會將快忘懷的景色

• 運はこんで欲ほしくて

  願將運送而來

• 風かぜを待まってた

  為此等待著風