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吉澤嘉代子

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吉澤嘉代子
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赤と青に光る幾千もの雨粒が窓をなぞってゆく
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行先を告ぐ様に水銀灯は等く浮かんでは消えて
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霧を纏う車は光沢を包み隠して誰も乗せてない
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暗闇が横切ると冷たい空気が肺をとおり抜けた
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やがて誘われる桃源郷
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鍵を回す音とともにラヂオが途切れた
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恋人たちは遠い星に辿りつき
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何時ぞや燃えちる寄るべのない命を煌く
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貴方の顔に影が落ちて私の肌に流れるまで
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滅びのキスでこの世の息を止めて
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傘も無く駆け出した駐車場の波紋を飛びこえてゆけば
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自動扉(ドア)のまばゆさに引きよせられ力つきた夜の羽を見た
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まるで明けやらない竜宮城
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無人のレジスターだけが出口を知っていた
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恋人たちは遠い星に辿りつき
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静かな帳に仄めきあう光で囁く
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貴方の顔に影が落ちて私の肌に流れるまで
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滅びのキスでこの世の息を止めて
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貴方の顔に影が落ちて私の肌に流れるまで
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滅びのキスでこの世の息を止めて
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息を止めて