地獄じごくでなぜ悪わるい

地獄為何不好

星野ほしの源げん

• 病室びょうしつ 夜よるが心こころをそろそろ蝕むしばむ

  病房裡 夜晚慢慢地 把心侵蝕

• 唸うなる隣となりの部屋へやが 開始かいしの合図あいずだ

  隔壁傳來的呻吟 是開始的信號

• いつも夢ゆめの中なかで 痛いたみから逃にげてる

  一直在夢裡 從痛苦之中逃開

• あの娘この裸はだかとか 単純たんじゅんな温ぬくもりだけを 思おもい出だす

  像是想像那個女孩的裸體 或僅僅單純的體溫

• 無駄むだだ ここは元もとから楽たのしい地獄じごくだ

  沒用的 這裡原本就是歡樂的地獄阿

• 生うまれ落おちた時ときから 出口でぐちはないんだ

  從誕生下來的時候開始 就沒有出口了阿

• いつも窓まどの外そとの 憧あこがれを眺ながめて

  不停凝望著 窗外的憧憬

• 希望きぼうに似にた花はなが 女おんなのように笑わらうさまに 手てを伸のばした

  對著像女孩般微笑 好似希望的花朵 我伸出了手

• 嘘うそでなにが悪わるいか 目めの前まえを染そめて広ひろがる

  謊言有啥不好 在眼前渲染 蔓延開來

• ただ地獄じごくを進すすむ者ものが 悲かなしい記憶きおくに勝かつ

  只有前往地獄的人 悲傷的記憶 已不復

• 教室きょうしつ 群むれをはぐれた 重おもい空そらを行ゆく

  教室裡 脫離群體 往沈重的天空去

• 生うまれ落おちた時ときから 居場所いばしょなどないさ

  從誕生下來的時候開始 就沒有什麼容身之地了阿

• いつも窓まどの外そとの 標識ひょうしきを眺ながめて

  不停凝望著 窗外的標誌

• 非道ひどうに咲さく花はなが 女おんなのように笑わらうさまに 手てを伸のばした

  對著像女孩般的微笑 在小徑上綻放的花朵 我伸出了手

• 作つくり物もので悪わるいか 目めの前まえを染そめて広ひろがる

  虛擬出來的東西有啥不好 在眼前渲染 蔓延開來

• 動うごけない場所ばしょからいつか 明日あすを掴つかんで立たつ

  從無法動彈的地方開始 總有一天能抓住明日再起

• 明日あすを掴つかんで立たつ

  抓住明日再起

• 幾千いくせんもの 幾千いくせんもの 星ほしのような 雲くものような

  好幾千個 好幾千個 如銀河 雲海阿

• 「どこまでも」が いつの間まにか 音おとを立たてて 崩くずれるさま

  「無論到哪裡」曾幾何時 只要發出聲音的話 就要崩壞

• 嘘うそで出来できた世界せかいが 目めの前まえを染そめて広ひろがる

  用謊言構成的世界 在眼前渲染 蔓延開來

• ただ地獄じごくを進すすむ者ものが 悲かなしい記憶きおくに勝かつ

  只有前進地獄的人 悲傷的記憶 已不復

• 作つくり物ものだ世界せかいは 目めの前まえを染そめて広ひろがる

  用虛假構成的世界 在眼前渲染 蔓延開來

• 動うごけない場所ばしょから君きみを 同おなじ地獄じごくで待まつ

  無法動彈的地方開始 在相同的地獄等候你

• 同おなじ地獄じごくで待まつ

  我在相同的地獄等候