ふたり
井上苑子
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ふたり
井上 苑子
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アラームより早起きした六時二分前
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寝ぼけ眼のあなたを「おはよ」って迎える二時間前
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夜遅くまで同じテレビ番組を見ながら
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途切れぬやりとりもう二週間
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想うだけの二ヶ月前とは違うの
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二年ぶりのショートカットはまさにあなたのため
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手先は跳ねるし 友達に朝一番で囲まれるし
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でも 答えない教えない 二日前にあなたに言われた
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「きっと似合うよ」って一言が理由なのは二人だけの秘密
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甘いのは苦手なあなたが
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少しだけ口付けたキャラメルフレーバーより
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クリームが残る口元 それ見て笑う瞬間が
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わたしにとっては 何よりも甘い時間で
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二つに伸びる影が一つに 二人の息が止まる
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好き 好き 好き過ぎる あなたには照れた顔隠すけど
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もう 怖いくらい もし嫌われたらとか…
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いつでも あなたの「好き」でいたいの
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二歩先を歩く背中越し
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まだ見えない二年先も今と同じように
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あなたとわたしの好き嫌いを
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二人で分かち合えてるのかなあ?
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二番線まで見送ってくれた
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すぐ二分後にそんなのメールしたら 重いかなあ…
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なんて にらめっこしてる画面に あなたから先に届いて
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「思った通り、短いの可愛かった」って
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短い髪じゃ照れた顔隠せていないじゃん
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もう…
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二言目にはあなたの名前「本当にバカなの」とか
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そうからかいながら 自慢したいの
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許してね
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二つに伸びる未来 お願い 二人の未来になれ
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好き 嫌い ごめん 好き 繰り返して 甘過ぎないくらいでさ
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もう 怖くない…とはまだ言えないけど
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いつでも あなたの「好き」でいるから
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いつまでも わたしのこと 好きでいてね
