メヌエットめぬえっと

山崎やまざきまさよし

• 大地だいちを駆かけ抜ぬける風かぜに

  拂過大地的風

• 黄金おうごんの穂波ほなみがうねる

  使金黃的穗波隨風起伏

• 幾千いくせんも費ついやした人々ひとびとの祈いのりを 確たしかめている

  確認著幾千人的希望

• 遥はるかなる時ときを超こえてく思おもいが

  穿越遙遠時空的思念

• 降ふり止やまぬ雨あめに耐たえうる強つよさが

  和忍受下不停的雨的堅強

• やがて愛あいするもののすべてに 注そそがれていけばいい

  全部注入愛的東西就好了

• ちぎれてはぐれてく雲くもが

  碎碎零零的白雲

• 鏡かがみの水面みなもを横切よこぎる

  穿過平靜的水面

• 自みずから疑うたがわず 羽はばたく旅鳥たびどりは 最果さいはての地ちへ

  問自己 展翅的候鳥 最終飛向哪裡

• もし今いま私わたしが風かぜになれたなら

  如果我能變成一陣風

• 険けわしい山やまの頂いただきを超こえたら

  越過險峻的山頂

• やがて愛あいする人ひとのもとに 何なにを届とどけるのでしょう

  會給深愛的人帶去什麼呢

• それは愛あいする人ひとのそばで 寄より添そっているのでしょう

  還是在深愛的身邊相伴度日呢

• 流ながれ落おちる涙なみだの果はてに

  落下的眼淚的盡頭

• 寝静ねしずまる冬枯ふゆがれの季節きせつに

  寂靜 萬物枯萎的季節裡

• 見放みはなされた荒野こうやの先さきに

  別人拋棄的荒野裡

• 人ひとは何なにを見みつめるのだろう

  人們可以找到什麼

• どこかで続つづく悲かなしみが

  在某處持續的悲傷

• 落日らくじつを赤あかく染そめてく

  染紅了落日

• 震ふるえる命いのちがただ望のぞむのは 安やすらかな母ははの胸むね

  脆弱的生命期望的僅僅是 母親的安定的懷抱

• 知しらぬ間まに夜よるの闇やみが包つつんでも

  不只不覺間天漸漸黑了

• たとえ言葉ことばを失うしなったとしても

  即使是失去了話語

• あなたが見みえるただひとつの 光ひかりであればいい

  只要有能看到你的一絲光就好

• あなたが触ふれるただひとつの 安やすらぎであればいい

  只要有能觸摸到你的安心就好

• やがてあなたの心こころの中なかに 注そそがれていけばいい

  只要能為你全心付出就好