ひとひらの
蓮
七七四凜絮
ひとひらの
片枚之
蓮
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首 に手 をかけて息 を吐 きだした手按於面 吐出氣息
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頬 を切 るような凩 割頰一般的寒風
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紅 く染 められた私 の掌 染紅一片 我的手掌
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色 を変 えて消 えた改換色彩而消逝
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やがて
瞳 は濁 り指先 から零 れる不久後眼瞳霧濁 自指尖零落
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ひとひらの
物語 だけ抱 いて終末 が鳴 る片枚之 故事僅得以擁懷 終局作響
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花 が枯 れたまま別 れ告 げるなら花已枯盡 如明示辭別
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私 は今 を知 るのだろう我如今是知道了吧
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悲 しみの翼 彼方 へ飛 んだら悲悽之翼 向彼方飛翔而去
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探 しに来 て ひとり静寂 の果 て前來探尋 獨身地 靜寂之盡
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叫 び声 は凍 りついた吶喊之聲 凍結成塊
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(ひとしずくの
涙 のよう)像那一滴 眼淚一般
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あなたの
声 崩 れ落 ちた你的聲音 崩毀潰落
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(ひとかけらの
明日 のよう)像片段的 未來一般
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そして
忘却 の庭 この躰 を沈 めて於是在忘卻的庭園 沉入這軀體
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ひとひらの
夢 に揺 れて溺 れた狂 い咲 き散 る於是在忘卻的庭園 沉入這軀體
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柔 らかな真綿 片手 で絞 めたら柔軟絲綿 若單手絞住
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私 はどこへ行 くのだろう我將會前往何方吧
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果敢 はかなく消 え また形 変 えたなら無常消逝 尚未出世了悟
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探 しに来 て ひとり純潔 の果 て前來探尋 獨身地 純潔之盡
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叫 び声 は凍 りついた吶喊之聲 凍結成塊
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(
罪 に濡 れる瞳 のなか)染浸罪孽 瞳中深處
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あなたの
声 崩 れ落 ちた你的聲音 崩毀潰落
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(
嘘 に濡 れる心 のなか)染浸虛謊 心中深處
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傷痕 静 かに残 さず隠 して傷痕 靜靜地不殘下而藏去
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すべてを
白 く包 みこむ光 將所有潔淨 包覆入裡的光
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流 れ流 れる時 のなか私 流盪流散於 時光內裡的我
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それでも
永遠 を願 い祈 る儘管如此仍永遠祈禱著願望
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どうして どうして
零 れる終末 為何 為何 凋零地 終局
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私 は どうして どうして悲 しみ我是 為何 為何 而悲傷
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静寂 忘却 果敢 なく咲 き散 る靜寂 忘卻 無常 綻散
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手 に雪 のひとひら手中雪之片枚
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思 い出 して私 の名 を回想起了 我的名字
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あなただけが
知 り得 る過去 只有你能 得知的過去
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叫 び声 が凍 りついて吶喊之聲 凍結為塊
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私 は今 を知 るのだろう我如今是知道了吧
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あなたの
声 崩 れ落 ちた你的聲音 崩毀潰落
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私 はどこへ行 くのだろう我將會前往何方吧
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色 のない世界 皚 く咲 いた花 缺色無彩的世界 皚皚綻放之花朵
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あなたが
知 るのだろう你是知道的吧