をかし

嘆紅塵

志方しかたあきこ

志方晶子

• 生魂いくたま在あれ 足魂たるたま在あれ 衆生しゅじょうの群むれ

  陰陽和合而成眾生

• 我わが為なす業わざ 彼かが散ちる様さま 因果いんがの果はて

  吾等所為終招報此乃因果報應

• からくれない 染そまる小指こゆび

  染上艷麗唐紅的尾指

• 絡からめ 交かわした約束やくそくに

  互相交纏的許下誓言

• うれし かなし こひし にくし

  欣喜的悲痛的戀慕的憎惡的

• 想おもいは 万華鏡まんげきょう

  就如萬華鏡般的七情六慾

• あまつかぜは 時代じだいを連つれ

  流轉空中的風把時代穿引起來

• 今いま 旅立たびだつ その人ひとに

  現在為了那個人踏上旅途

• 縋すがることも 追おうことさえ

  一直堅信著追隨著

• 出来できずに 悲願ひがん花ばな

  哪怕得到的只有彼岸花

• 強つよき 信念こころのまま

  堅定不移的心

• 袂たもと分わかちて 進すすむ道みちなら

  為了前方的道路不惜捨棄一切

• いっそ 修羅しゅらとなりませ

  斷然化成修羅

• 風かぜ 切きって切きって 斬きり捨すて 舞まい躍おどり

  迎著狂舞的風來斬斷

• 咲さくが誉ほまれ 夢ゆめ花火はなび

  凜然綻放的夢中花火

• 散ちって散ちって 散ちり逝ゆく 定さだめなら

  若果命中注定了消散飛逝

• この世よはあはれ をかしと

  只嘆這個悲涼又可笑的世間

• からくれない 滲にじむ小指こゆび

  滲透殷紅鮮血的尾指

• 解ほどけ 揺ゆらいだ約束やくそくに

  把已經落空的誓言解除

• さびし かなし こひし にくし

  寂莫的悲痛的戀慕的憎惡的

• 絆きずなは 蜃気楼しんきろう

  情緣仿如虛幻的海市蜃樓

• みたましずめ 浮うかぶ 蛍ほたる

  鎮魂祭中凝望浮游的螢火蟲

• ふたり 眺ながめた想おもい出でも

  陷入與你共度的久遠回憶之中

• 遥はるか 遠とおく 河かわのほとり

  在延綿不斷的河岸邊

• 流ながすは 灯籠あかりかご

  流放追悼亡者的河燈

• 今宵こよい 語かたるは

  今夜獻上

• 儚はかなき夢想ゆめ無常むじょうの宴うたげ

  逝去的虛幻夢想與世間無常的盛宴

• さあさ とくとご覧らんあれ

  來吧來吧盡情的觀賞吧

• 風かぜ 切きって切きって 斬きり捨すて 掻かき乱みだれ

  迎著狂亂的風來斬斷

• 咲さけよ 己おのれが 刹那せつなの天下てんか

  我那一瞬即逝的一生

• 黄泉よみへの旅路たびじは 独ひとりきり

  孤身一人前往黃泉的旅途

• この世よはあはれ をかしと

  感嘆這悲涼又荒誕的世間

• 天あま離ざかる 鄙ひなの道みちに立たちて

  佇立在遙遠荒野的道路中

• 瞳ひとみ閉とじれば よぎる面影おもかげ

  若閉上雙眼就浮現出往事的殘影

• 八百万やおよろず代よの 名残なごりのように

  就如虛空神祗的追思

• もはや 彼方かなたの幻まぼろし

  最終也是不可觸及的泡影

• 風かぜ 切きって切きって 斬きり捨すて

  迎著風把一切都斬斷

• 縁えにしも断たちきり

  連緣份也一刀兩斷吧

• 散ちって散ちって 散ちり急いそぐ 武士もののふよ

  如同光榮赴死的武士

• 流ながれる血汐ちしおは 最期さいごの火花ひばな

  奉上鮮血成就最後絢爛的花火

• この世よはあはれ をかしと

  只嘆這個蒼涼又無常的世間