華はな蕾つぼみ夢ゆめミルみる狂詩曲きょうしきょく～魂たましいノの導しるべ～

神崎かんざき蘭子らんこ(内田うちだ真礼まあや)

• 知恵ちえの林檎りんごが 虚言きょげん語かたる牢獄ろうごくで

  知識的禁果 在牢獄中訴說謊言

• 終了しゅうりょう(おわり)告つげる 鐘かねの嗤わらう声こえを待まつ

  等待宣告終結 那罄鐘響起的嘲笑聲

• 純白じゅんぱく(ましろ)きペヱジぺゑじ 描えがき出だすその面影おもかげは

  純白的頁面 所描繪得影像

• 闇やみに咲さいた 秘ひ(ひめ)華はな

  是黑暗中綻放的 秘之花

• 華はな弁びら触ふれて 其その名なを問とえば

  觸碰花瓣 詢其名喚

• 紅あかき双ふた瞼まぶた(まぶた)が 禁忌きんきの言葉ことばに触ふれて

  炙紅雙瞼 觸碰禁忌之言語

• 今いま 開ひらく

  此刻開幕

• L'inizio!

  開幕!

• 揺籠ゆりかごゆらす雷いかずち

  晃動搖籃的雷鳴

• 覚醒かくせい(めざめ)に 騒さわぐ鼓動こどうの Choir

  是呼喚覺醒 招致鼓動的聖歌

• 夢魔むまの手招てまねき 秘密ひみつの嬌声きょうせい(ソプラノそぷらの)が

  噩夢在招手 秘密的嬌喘聲

• 頬ほおを染そめ上あげて

  使緋紅爬上臉頰的

• Violenza

  激情

• 困惑こんわく(まよ)いの翼つばさ 導みちびかれた迷宮めいきゅうで

  迷茫的雙翼 導吾入其迷宮

• 追憶ついおくするは 髪かみに触ふれた指先ゆびさきに

  追憶之物乃觸沒髮縫之指尖

• 溢あふれる吐息といき 慕したう想おもい(アニマあにま)が名なを召喚しょうかん(よ)べば

  流露的吐息 以思慕之名以召命

• 蘇よみがえる 幻影げんえい(まぼろし)

  甦醒之虛幻形影

• 其その手てを引ひいて 宣誓せんせい(ちかい)みせよう

  牽起吾手 予以宣誓

• 紅あかき双ふた唇くちびる(くちびる) 契ちぎりの象徴しょうちょう(かたち)に揺ゆらし

  炙紅雙唇 以契約之型姿洸漾

• 今いま 開ひらく

  此刻開幕

• 「裁さばキヲきを……」

  「裁決……」

• Silenzio!

  肅穆!

• 戯たわむれの時刻じこく(とき)は彼方かなた

  非娛戲之時刻

• 揺ゆれる瞳め 誘さそい込こむ Unisono

  震顫之眼瞳 誘引沒入之和音

• 鼓動こどう爪弾つまびく 甘美かんびの獄ごくに

  指奏弦動心 墜甘霖牢獄

• 今いま 貴方あなたは踏ふみ入いった

  此刻汝已踏入此地

• L'inizio!

  開幕!

• 劇場げきじょう(オペラおぺら)の緞帳どんちょう(まく)は上あがった

  劇場幕布已然拉開

• 命いのち火ひ(ともしび) 賭として謳うたおう Aria

  以命火為注 謳歌詠歎調

• この業ごう(カルマかるま) 汚けがれても

  此生即粘盡污穢

• そう 高潔こうけつ抱いだいて

  仍以高潔抱之

• Con grazia

  尊以華雅

• 沈黙ちんもくの戒律かいりつは、

  沉默的戒律

• 抑おさえきれぬ感情かんじょう(パトスぱとす)に破やぶられた。

  被抑制不住的情感擊破

• 其その贖あがないに煉獄れんごくを渡わたれと命めいじるなら、

  倘若要服從于渡身煉獄的安排

• 如何様いかようにも従したがおう。

  便也從了罷

• 然しかし傍観者ぼうかんしゃよ!

  然 旁觀者啊!

• この深淵しんえんに咲さく華はなを、

  這深淵綻放之光華

• 貴殿きでんらに裁さばくことは出来でき無ない。

  亦非爾等所能裁決

• 我われを裁さばき(私わたしニに触ふレれ) 我われを罰ばっし(私わたしニに囁ささやキき)

  制裁吾吧(撫摸我吧) 處罰吾吧(對我耳語)

• 我われを許ゆるすのは(私わたしニに微笑ほほえムノハむのは)

  寬恕吾的(給我微笑的)

• そう、あの人ひとだけだから……

  對，唯有他……

• Canizza!

  敗犬!

• 喝采かっさいを示しめせ仔羊こひつじ

  發出喝彩的羔羊

• 命いのち火ひ(ともしび) 朽くちて消きえても

  即便生命的燭火 腐朽消亡

• この魂たましい(アルマあるま) 迷まよわずに

  這靈魂 也毫不猶豫

• そう 貴方あなたと廻まわり続つづける

  是的 不斷圍繞著您 譜寫出一首

• Rapsodia

  狂想曲

• 餞はなむけ 散ちらして 微笑ほほえみ(わら)おう

  餞別 散盡 微笑吧